第353篇 魏将与秦攻韩

出处:战国策·魏策三

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📜 原文(文言文)

魏将与秦攻韩,无忌谓魏王曰:“秦与戎翟同俗,有虎狼之心,贪戾好利而无信,不识礼义德行。苟有利焉,不顾亲戚兄弟,若禽兽耳。此天下之所识也,非有所施厚积德也。故太后母也,而以忧死;穰侯舅也,功莫大焉,而竟逐之;两弟无罪,而再夺之国。此于亲戚若此,而况于仇雠之国乎?今王与秦共攻韩而近秦患,臣甚惑之。而王弗识也,则不明矣。群臣知之而莫以此谏,则不忠矣。今夫韩氏,以一女子承一弱主,内有大乱,外交强秦、魏之兵,臣以为其社稷之忧可立而待也。韩亡,秦必尽有郑地,与梁千里,则祸必中于魏矣。昔者,秦欲攻梁,而韩救之,秦怒,伐韩,韩急而献宜阳。秦既得宜阳,又欲攻梁,梁无韩救,则秦必且并天下矣。夫秦有虎狼之心,而贪利无信,此非所以为万乘之国也。王其毋攻韩,而善韩以疑秦,秦必疑韩,则韩、魏合,秦必不敢加兵于魏矣。魏、韩合而为一,则天下莫能当,此万世之利也。”王曰:“善。”乃听无忌,罢秦攻韩。

📖 白话文翻译

魏国、秦と連合して韓を攻めようとした。無忌、魏王に言う。「秦は戎狄と同俗、虎狼の心を有し、貪婪暴戻にして、利を好み信なく、礼義徳行を知らず。利あらば、親戚兄弟と雖も顧みず、禽獣の如し。是れ天下の知る所にして、秦は恩を施し徳を積むこと無きなり。故に、秦太后は秦王の母なれども、憂憤の餘りに死し、穰侯は秦王の舅にして功最も大なれども、逐はれ、二弟は罪無きに、數たび封地を削られたり。親戚に對して尚ほ此くの如し、況や敵國に於てをや。今、大王、秦と共に韓を攻むるも、却って秦の禍患に近づくのみ。我、實に惑はざるを得ず。大王、此れを明らかにせざるは、智ならざるなり。群臣、知りて諫めずは、忠ならざるなり。今の韓は、一婦人の幼主を扶くる所、内は大亂し、外は又秦・魏の兵に對す。我、韓の滅亡は指を屈して待つべきのみと為す。韓の滅亡せば、秦必ず鄭地を盡く有し、魏と千里に接せん。然らば禍患必ず魏に落ちん。昔、秦は魏を攻めんと欲し、韓救ひ、秦は大いに怒り、韓を攻め、韓は危ふくして宜陽を獻ず。秦、宜陽を得て後、又魏を攻めんと欲す。魏、韓の救ひを失はば、則ち秦必ず天下を吞まん。秦は虎狼の心を有し、利を貪りて信なし。是れ萬乘の大國の有るべき所に非ず。大王、韓を攻むること勿く、韓を善くして秦を疑はしむべし。秦必ず韓を疑はん。然らば韓・魏聯合し、秦必ず敢へて魏に兵を用ゐず。魏・韓一體と為りなば、天下、當たる者無し。是れ萬世の利なり。」魏王曰く、「善し。」と。是に於いて無忌に從ひ、秦と韓を攻むるを止めたり。

💡 商战启示录

此策の核心は、頼りにならざる盟友を見極め、防御的な連合を構築することに在り。 現代の商戦に於いて、企業はしばしば強力なるパートナーとの提携の誘惑に晒される。然れども、その相手が「虎狼の心」を有する場合——即ちプラットフォームの巨頭や資本の大物の如き存在——その協力は往々にして吞噬(どんし)或いは支配を目的とする。例えば、創業間もない企業が急速な拡大を求めて巨頭の出資や独占的提携を受け入れた末、中核たる事業やデータを奪われること、これは秦の韓に対するが如し。 無忌の智恵は我々に次の三つを想起させる。 第一に、相手の長期的な信義と価値観を評価すべし。短期的な利益に眩むことなかれ。 第二に、単一の強勢なる者への依存を避け、自ら進んで補完し合う企業と連合し「韓魏の合従」を成すべし。例えば、国内企業が連携して中核技術を共同開発し外部の独占に抗うこと、或いは中小企業がサプライチェーン連盟を組織してプラットフォームの価格圧迫に拮抗すること、これに類す。 第三に、提携が自らの戦略的奥行きを失わしめる虞ある時は、断固として損切りし、転じて第三者を扶持して均衡を図るべし。当年、滴滴と快滴が合併した後、市場は独占を憂えたが、高徳の如きアグリゲーションプラットフォームという新たなプレイヤーが出現した。これ即ち「韓を善くして秦を疑わしむ」の現代版なり。 要するに、商戦の勝利は一戦の勝敗に在らず。自らのエコシステムの独立と安全を確保し、連盟の網絡を通じてリスクを分散し、いかなる単独の者も軽々に「兵を加うる」能わざらしむることに在るのである。