📜 原文(文言文)
秦王欲见顿弱,顿弱曰:“臣之义不参拜,王能使臣无拜,即可矣。不,即不见也。”秦王许之。于是顿子曰:“天下有有实而无名者,有无实而有名者,有无名而无实者,王知之乎?”王曰:“弗知。”顿子曰:“有实而无名者,商人是也。无把铫推耨之势,而有积粟之实,此有实而无名者也。无实而有名者,农夫是也。解冻而耕,暴背而耨,无积粟之实,此无实而有名者也。无实又无名者,王乃是也。已立为万乘,无孝之名;以千里养,无孝之实。”秦王悖然而怒。顿弱曰:“山东战国有六,威不掩于山东,而掩于母,臣窃为大王不取也。”秦王曰:“山东之战国可兼与?”顿子曰:“韩,天下之咽喉;魏,天下之胸腹。王资臣万金而游,听之韩、魏,入其社稷之臣于秦,即韩、魏从,而天下可图也。”秦王曰:“寡人之国贫,恐不能给也。”顿子曰:“天下未尝无事也,非纵即横也。横成,则秦帝;纵成,即楚王。秦帝,即以天下恭养;楚王,即王虽有万金,弗得私也。”秦王曰:“善。”乃资万金,使东游韩、魏,入其将相于秦。北游燕、赵,而杀李牧。齐王入朝,四国毕从,顿子之说也。
📖 白话文翻译
秦王頓弱を召見す。頓弱曰く、「我が道義は参拝の礼を行わざるにあり。大王もし我に参拝を免ずるを許さば、則ち見ゆるを得ん。然らずんば、則ち見えじ」と。秦王之を許す。ここにおいて頓子曰く、「天下に実有りて名無き者有り、実無くして名有る者有り、名も実も無き者有り。大王之を知るや」と。秦王曰く、「知らず」と。頓子曰く、「実有りて名無き者は、商人なり。彼らは鋤を執りて耕すの労無くして、穀物を積むの実利有り。是れ実有りて名無き者なり。実無くして名有る者は、農夫なり。彼らは凍土を開きて耕し、日に背きて草を除けども、積む所の穀物無し。是れ実無くして名有る者なり。名も実も無き者は、大王是れなり。王已に万乗大国の君と立ちたまえども、孝の名声無し。千里の地を以て母を養うとも、孝の実際無し」と。秦王聞きて勃然として怒る。頓弱曰く、「山東に六つの戦国有り。大王の威勢、山東を掩う能わずして、乃ち母に掩わる。臣窃かに大王の為に取らざる所とす」と。秦王曰く、「山東の戦国は、兼ね併する可きか」と。頓子曰く、「韓は天下の咽喉たり。魏は天下の胸腹たり。大王我に万金を与えて游説せしめば、我韓・魏に往き、其の社稷の臣をして秦に入らしめば、則ち韓・魏順わん。此くの如くして天下は図る可し」と。秦王曰く、「我が国貧しくして、恐らくは万金を給すること能わじ」と。頓子曰く、「天下未だ嘗て寧んぜざるなり。合従に非ざれば即ち連衡なり。連衡成らば、則ち秦は帝たり。合従成らば、即ち楚は王たり。秦の帝たれば、則ち天下の物を以て恭敬に養わん。楚の王たれば、大王万金有りと雖も、私に有する能わざるなり」と。秦王曰く、「善し」と。ここにおいて万金を資し、之を遣わして東のかた韓・魏に游び、其の将相をして秦に帰せしむ。又北のかた燕・趙に游びて、李牧を殺さしむ。斉王朝に入り、四国皆順う。是れ頓子の游説の功なり。
💡 商战启示录
頓弱は「実有りて名無し」と「名有りて実無し」をもって秦王を覚醒させ、企業が商戦において虚名よりも実際の価値を重んじるべきことを示唆している。例えば、一部の新興ブランドはマーケティングの話題性を過度に追い求める一方で製品の品質を軽視し、結局は一瞬の花火に終わる。一方、ファーウェイのような企業は初期には無名でありながら技術開発に専念し、「実有りて名無し」の姿勢で中核的競争力を蓄積し、最終的に世界市場で評判とシェアを勝ち取った。頓弱はまた「重要局面への投資」を強調する——彼は韓・魏を咽喉や胸腹に例え、戦略的要地を攻略するために資源を集中させることを提言した。現代のビジネスにおいても、企業は産業チェーンの中の高付加価値部分を見極めるべきであり、例えばアップルは全産業チェーンの自社製造ではなく、チップ設計とエコシステムに特化し、わずかな重要投資で巨大な市場を動かしている。さらに頓弱は「横が成れば秦が帝となり、縦が成れば楚が王となる」と述べ、企業は競争構造の中で立場と進路を明確にしなければならず、アンドロイド陣営のような連合エコシステムを構築するか、アップルのiOSのような独自の障壁を形成するかを選ぶべきであり、揺れ動けば資源の分散を招くと戒めている。最後に、頓弱が万金を投じて遊説したのは、実に「人材と情報への投資」であり、現代企業もコンサルティングや市場調査に惜しみなく投資し、情報優位をもって戦略を立てることで、初めて「四国ことごとく従う」を得て、業界の構図を主導できるのである。