第445篇 楚王令淖齿(二)

出处:战国策·楚策三

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📜 原文(文言文)

楚王令淖齿求九鼎于周,周君患之。颜率曰:“大王勿忧,臣请东借救于齐。”颜率至齐,谓齐王曰:“夫秦之为无道也,欲兴兵临周而求九鼎,周之君臣内自画计,与秦,不若归之大国。夫存危国,美名也;得九鼎,厚宝也。愿大王图之。”齐王大悦,发师五万人,使陈臣思将以救周,而秦兵罢。齐将求九鼎,周君又患之。颜率曰:“大王勿忧,臣请东解之。”颜率至齐,谓齐王曰:“周赖大国之义,得君臣父子相保也,愿献九鼎,不识大国何途之从而致之齐?”齐王曰:“寡人将寄径于梁。”颜率曰:“不可。夫梁之君臣欲得九鼎,谋之晖台之下,少海之上,其日久矣。鼎入梁,必不出。”齐王曰:“寡人将寄径于楚。”对曰:“不可。楚之君臣欲得九鼎,谋之于叶庭之中,其日久矣。若入楚,鼎必不出。”王曰:“寡人将寄径于赵。”对曰:“不可。赵之君臣欲得九鼎,谋之于章华之台,其日久矣。若入赵,鼎必不出。”齐王曰:“寡人将寄径于韩、魏。”对曰:“不可。韩、魏之君臣欲得九鼎,谋之于长社之野,其日久矣。若入韩、魏,鼎必不出。”齐王曰:“寡人将何途之从而致之齐?”颜率曰:“弊邑固窃为大王忧之。夫鼎者,非效醯壶酱甀耳,可怀挟提挈以至齐者;非效鸟集乌飞、兔兴马逝,漓然止于齐者。昔周之伐殷,得九鼎,凡一鼎而九万人挽之,九九八十一万人,士卒师徒,器械被具,所以备者称此。今大王纵有其人,何途之从而出?臣窃为大王私忧之。”齐王曰:“子之数来者,犹无与耳。”颜率曰:“不敢欺大国,疾定所从出,弊邑迁鼎以待命。”齐王乃止。

📖 白话文翻译

楚王淖齿を周に遣わして九鼎を求めしむ。周君、これを深く憂う。顔率曰く、「大王憂ふることなかれ。請ふ東のかた斉に赴きて救兵を借りん」と。顔率、斉に至り、斉王に謂ひて曰く、「秦は暴虐無道にして、兵を興して周を脅かし九鼎を奪はんと欲す。周の君臣、内に議して曰く、『秦に与ふるよりは、寧ろ貴国に帰せん』と。危ふき国を存するは美名なり。九鼎を得るは重宝なり。願はくは大王其の利を察せよ」と。斉王、大いに喜び、五万の軍を発し、陳臣思に命じて之を率ゐて周を救はしむ。秦兵、遂に退く。 斉王、乃ち九鼎を求めんとす。周君また憂ふ。顔率曰く、「大王憂ふることなかれ。請ふ斉に赴きて之を解かん」と。顔率、斉に至り、斉王に謂ひて曰く、「周は貴国の義に頼りて、君臣父子相保つことを得たり。願はくは九鼎を献ぜんとす。然れども貴国の鼎を運ぶべき路、未だ知らず。何の途よりして斉に至らしめんや」と。斉王曰く、「吾、梁に假道せん」と。顔率曰く、「不可なり。梁の君臣、九鼎を得んと欲して、暉台の下、少海の上に謀ること久し。鼎、梁に入らば、必ず出づることを得ざらん」と。斉王曰く、「吾、楚に假道せん」と。顔率曰く、「不可なり。楚の君臣、九鼎を得んと欲して、葉庭の中に謀ること久し。楚に入らば、鼎必ず出づることを得ざらん」と。斉王曰く、「吾、趙に假道せん」と。顔率曰く、「不可なり。趙の君臣、九鼎を得んと欲して、章華の台に謀ること久し。趙に入らば、鼎必ず出づることを得ざらん」と。斉王曰く、「吾、韓・魏に假道せん」と。顔率曰く、「不可なり。韓・魏の君臣、九鼎を得んと欲して、長社の野に謀ること久し。韓・魏に入らば、鼎必ず出づることを得ざらん」と。斉王曰く、「然らば則ち吾、竟に何の途よりして斉に至らしめんや」と。顔率曰く、「敝邑、私かに大王の為に憂ふ。鼎は醋壺醤瓶のごとく、懐に揣み懐に提げて斉に至るべきに非ず。亦た鳥の飛び兎の奔るがごとく、馬の駆くるがごとく、疾く斉に至るべきに非ず。昔、周、殷を伐ちて九鼎を得しに、一鼎ごとに九萬人を徴し、九九八十一萬人。士卒・工具・被服の備へ、此のごときを須つ。今、大王、縦ひ此の人の有りとも、竟に何の途よりして出づるを得んや。私かに大王の為に憂ふ」と。斉王曰く、「子の来るや数なり。終に与へざらんとするのみ」と。顔率曰く、「敢へて貴国を欺かず。疾く路を定めよ。敝邑、鼎を遷して命を待たん」と。斉王、乃ち止む。

💡 商战启示录

顔率のこの計略は、古代における「空手で白狼を獲る」古典的なるものと評すべきであり、その核心は情報の非対称性と各方の利益相反を利用し、「虚」の約束をもって「実」の救援を換取し、最終的に自らの利益を保全するところにある。現代の商業において、この策略は「勢いを借る」と「引き延ばし」の交渉術へと転化し得る。例えば、スタートアップ企業がしばしば大手による模倣や圧迫に直面する際、「某大手と提携する」という曖昧なシグナルを巧みに発することで、競争者の警戒心を煽り、交渉の駒や時間的猶予を得ることができる。これは顔率が斉の兵を借りて秦を退けたのと同様である。しかし肝要なのは、約束には「曖昧性」と「解釈の余地」がなければならず、顔率が終始受け渡しの経路を明確にせず、最終的に「輸送の難題」を理由に斉王を退却させたのと同じである。商業買収において、買収側がしばしば「統合の困難」や「文化の衝突」を理由に買収価格を引き下げようとしたり、決済を遅延させたりするのは、まさにこの策の現代版である。しかしながら、この計略はリスクが極めて高く、相手が実力で圧倒し忍耐を欠く場合、虚勢はかえって反撃を招く恐れがある。それゆえ、現代の商業はより「価値創造」に重きを置くべきであり、単なる「価値移転」に頼るべきではない。顔率の策は巧みではあるが、危機対応の一時しのぎに過ぎず、長期的な発展には依然として堅実な製品と誠実さが求められるのである。