💡 詳細解説
「一毛を抜いて天下を利するも為さず」は『孟子・尽心上』に出典し、原文は「楊子は我が為に取る、一毛を抜いて天下を利するも、為さざるなり」であり、孟子が楊朱の極端な利己思想を概括したものである。字義的には、たとえ体から一本の毛を抜くだけで天下の利益になるとしても、楊朱はそれすらすることを望まないという意味である。深層的な意味は、極端に自私自利であり、他人や集団のために個人の利益を少しも犠牲にしようとせず、取るに足らない負担でさえ断固として拒否することを指す。この成語は、細かいことにこだわり、一毛も抜かず、公共心や社会的責任感に欠ける人々を批判する際によく用いられる。文化的背景としては、戦国時代の楊朱の「貴己」「重生」という哲学的主張を反映しており、墨家の「兼愛」と鮮明な対照をなしている。感情的色彩は強い貶義であり、風刺と批判のニュアンスを帯びている。使用場面は主に書き言葉や正式な議論であり、ある人が極度に吝嗇・利己的で、公共利益のためにいかなる代価も払おうとしないことを形容する。