📖 詳細解説
中継貿易とは、商品が生産国(原産国)から消費国(最終目的地国)へ輸送される途中で、第三国(中継国)の中継業者を通じて転売される取引を指す。商品は中継国で保管、分割、再梱包、または簡単な加工が行われた後、最終目的地国へ再輸出されることがある。中継業者は生産国と消費国それぞれと売買契約を締結し、差額を利益として得る。利用場面としては、貿易障壁(アンチダンピング税や割当制限など)の回避、中継国の自由貿易区や保税区を活用した物流最適化、政治的に敏感な理由による原産地の隠蔽などがある。注意点としては、中継国が十分な中継施設と法規を備えていることを確認し、原産地規則に注意して回避行為とみなされないようにし、中継国と最終目的地国間の貿易協定に留意する必要がある。通過貿易(第三国の領域を通過するが所有権の移転を伴わない)とは異なり、中継貿易は所有権の移転を伴う。また、直接貿易や間接貿易とも異なり、その核心は第三国の中継業者の介入にある。
📝 例文
1. 中国の輸出業者が衣類の一ロットをシンガポールの中継業者に販売し、シンガポールの中継業者がその衣類を米国の輸入業者に転売する。商品は中国から米国へ直接輸送されるが、シンガポールの中継業者が中間決済と書類処理を担当する。(説明:典型的な中継貿易であり、シンガポールの中継業者を利用して米国の中国製衣類に対する割当制限を回避している。)
2. EUが某国の鉄鋼にアンチダンピング税を課しているため、その国の輸出業者はまず鉄鋼をマレーシアの自由貿易区に輸送し、区内で軽微な加工を行い原産地証明書を変更した後、EUへ再輸出する。(説明:中継貿易によるアンチダンピング税の回避であるが、原産地規則の遵守に注意する必要がある。)