💡 詳細解説
「不翼而飛」は文字通りには「翼がないのに飛んでいった」という意味で、『列子・湯問』が出典である。もともとは、知らせや言論などが翼を借りることなく急速に広まることを指し、伝播速度がきわめて速いことを形容した。後に意味が拡張され、物が突然見えなくなったり、わけもなく消えたりするさまも表すようになり、まるで自ら翼が生えて飛び去ったかのように感じられることをいう。この成語には二つの典型的な用法がある。一つは、知らせ・噂・ニュースなどが速く伝わることを形容し、その拡散の速さと範囲の広さを強調する。二つは、物品や金銭などが不翼而飛することを形容し、その消失が突然で不可解であることを強調し、しばしば驚き・疑問・やるせなさといった感情を伴う。文化的背景としては、古人が情報伝播の現象を生き生きと比喩したことを示すとともに、財物が理由もなく失われることへの人々の困惑した心理も反映している。使用時には主に口語と書き言葉の両方で用いられ、良い意味(たとえば良い知らせが急速に広まる)にも、中立的またはやや悪い意味(たとえば噂の拡散、物の紛失)にもなる。