定義
RFQ Site(Request For Quotation Site/問い合わせ型独立站) とは、ECカートによる即時決済ではなく、見積依頼(RFQ)や問い合わせフォームの送信を主要コンバージョンとして設計された独立系Webサイトを指します。BtoB商材、産業資材、受注生産品、OEM/ODM、カスタムメイド製品などで多用され、購買プロセスは「サイト上で完結」せず、営業担当・代理店・商社を介したオフラインのフォローアップによって成約に至ります。
D2Cの文脈では「Direct to Consumer」ならぬ Direct to Customer(法人顧客) 的な性格が強く、KPIはCVR(購買転換率)ではなく INQ Rate(問い合わせ率) や SQL率(Sales Qualified Lead率) に置き換わります。
类比:RFQ Siteは「店舗」ではなく「商談の受付窓口」
- 通常のECサイト = セルフサービス型のスーパーマーケット。商品をカゴに入れ、レジで即時決済。
- RFQ Site = 高級不動産屋や受注家具工房のカウンター。来店者は「この条件で見積もりがほしい」と要望を伝え、担当者が個別に提案・見積書を発行する。
つまり、サイトは「売る場所」ではなく「リードを獲得する場所」 です。ランディングページ、製品仕様書、事例、認証情報、フォームが主役になります。
公式・計算式
RFQ Siteの収益構造は以下のように分解できます。
問い合わせ数 = セッション数 × INQ Rate SQL数 = 問い合わせ数 × SQL率 受注数 = SQL数 × 商談化率 × 成約率 売上 = 受注数 × 平均受注単価(AOV)
具体例:
- 月間セッション数:12,000
- INQ Rate:2.5% → 問い合わせ数 300件
- SQL率:40% → SQL 120件
- 成約率:15% → 受注 18件
- 平均受注単価:$2,800 → 月商 $50,400
このように、INQ RateとSQL率の改善が売上に直結します。CVR最適化よりも、フォームの摩擦除去とリードの質的向上が優先されます。
比較表:RFQ Site vs 通常ECサイト vs リードジェンLP
| 項目 | RFQ Site | 通常ECサイト | リードジェンLP |
|---|---|---|---|
| 主目的 | 見積依頼・問い合わせ | 即時購入 | 資料請求・登録 |
| コンバージョン | RFQ送信 | カート決済 | フォーム送信 |
| 商品特性 | カスタム・産業・高単価 | 標準品・低〜中単価 | 無形商材・SaaS |
| 決済機能 | 原則なし(請求書払い等) | 必須 | なし |
| 営業関与 | 必須(人的フォロー) | 不要 | 場合による |
| 主要KPI | INQ Rate / SQL率 | CVR / AOV | CPL / MQL数 |
| サイト構成 | 仕様・事例・認証・フォーム | 商品一覧・カート | 1枚LP+フォーム |
| 平均リード単価 | $80〜$400 | – | $20〜$150 |
応用場景(ユースケース)
1. 産業機械・部品メーカー
型番・図面・数量を入力して見積依頼。営業が仕様確認後に見積書を送付。
2. OEM/ODMアパレル
素材・ロゴ・ロット数を指定。MOQや納期の相談が発生するため即時決済は不可。
3. カスタム家具・建具
寸法・木材・塗装を選択し、写真をアップロードして問い合わせ。
4. 化学品・原材料
SDSやTDSのダウンロードと引き換えにリード獲得。法規制対応のため営業介入が必須。
5. BtoB卸・商社向けサイト
会員登録制で価格非表示、ログイン後にRFQ送信。
よくある誤解(常見誤区)
- 「カートをつければ売上が上がる」
→ 受注生産品では在庫・納期・決済条件が個別のため、カート導入は離脱を増やすだけ。
- 「フォームは短いほど良い」
→ RFQでは項目数を増やしてでもリード品質を高める方がSQL率が上がる。会社名・予算・用途は必須。
- 「問い合わせ数だけ追えばよい」
→ 数だけ増えてもSQL率が低ければ営業コストが破綻。INQ×SQL率で管理する。
- 「SEOだけやれば十分」
→ 高単価BtoBではLinkedIn・業界メディア・展示会からの流入がSQL率を押し上げる。
- 「自動返信で完結」
→ 初回レスポンスは24時間以内、できれば4時間以内が成約率に直結。人的対応が不可欠。
関連用語
- INQ Rate(問い合わせ率):セッションに対するRFQ送信の割合。
- SQL(Sales Qualified Lead):営業が商談化可能と判断したリード。
- MQL(Marketing Qualified Lead):マーケティング基準を満たしたリード。
- CPL(Cost Per Lead):1リード獲得あたりのコスト。
- MOQ(Minimum Order Quantity):最小発注数量。
- TDS/SDS:技術データシート/安全データシート。
- リードナーチャリング:見込み客を段階的に育成する施策。
- ABM(Account Based Marketing):特定企業を狙うBtoBマーケティング。
RFQ Siteは「ECの皮をかぶった営業支援サイト」です。サイトの役割はリード獲得と質の担保にあり、売上はその後の営業プロセスで生まれます。したがって、KPI設計・フォーム設計・レスポンス体制の3点が成否を分けます。