ZHENESJAKOTHVIRUFRAR

Make

定義

Make(メイク) とは、ノーコードでアプリケーション同士を連携させ、マーケティングやバックオフィスの業務フローを自動化できるビジュアル自動化プラットフォームです。旧称は Integromat(インテグロマット)。キャンバス上に「モジュール」と呼ばれる処理ブロックをドラッグ&ドロップで配置し、線でつなぐだけで複雑なシナリオ(ワークフロー)を構築できます。

DTC・EC文脈では、Shopify、WooCommerce、BASE、楽天市場などのECプラットフォームと、Klaviyo、Meta広告、Google Sheets、Slack、Chatwork、freee、kintone などを接続し、「受注→在庫更新→顧客タグ付け→LINE配信→広告オーディエンス同期」といった一連の処理を人手ゼロで回す用途で多用されます。

Zapier が「トリガー→アクション」の直線的な1対1連携を得意とするのに対し、Make は 分岐・ループ・反復・エラーハンドリング・データ変換 を視覚的に組めるため、より複雑なオペレーションに向きます。


类比(たとえるなら)

Make は 「EC運営のための配線盤(スイッチボード)」 です。

- モジュール = 各従業員(「注文を取得する人」「在庫を引く人」「メールを送る人」)

- コネクション(線) = 社内の稟議ルート

- フィルター = 「VIP顧客だけ通す」受付の関所

- ルーター = 部署ごとに振り分ける仕分け係

- イテレーター = 明細行を1件ずつ処理する伝票めくり

つまり、「人を雇わずに業務マニュアルをそのまま絵に描いて実行させる」 感覚です。Excelマクロの視覚版+クラウド連携版と考えると、日本のEC担当者にはイメージしやすいでしょう。


公式(処理量とコストの考え方)

Make の課金は「オペレーション数」で決まります。1モジュールが1回実行されるたびに1オペレーション消費します。

月間オペレーション数 = Σ (各シナリオの実行回数 × 1実行あたりのモジュール通過数)

具体例:

- シナリオ:Shopify新規注文 → 顧客をKlaviyoに登録 → Slack通知 → Google Sheetsに追記

- 1実行あたりのモジュール通過数 = 4

- 1日の注文数 = 150件

- 月間オペレーション = 150 × 4 × 30 = 18,000 オペレーション

Make の Core プラン(月10,000オペレーション)では足りず、Pro プラン(月10,000〜)または上位プランへの昇格が必要になります。「注文1件=4オペレーション」という原単位を最初に把握することが、DTC現場では最重要です。


比較表:Make vs 主要ツール

項目MakeZapiern8nShopify Flow
操作UIキャンバス型(視覚的)リスト型(直線的)ノード型(技術者向け)Shopify管理画面内
分岐・ループ◎ 標準対応△ パス機能で限定的◎○ 条件分岐のみ
学習コスト中低高低
無料枠月1,000オペレーション月100タスクセルフホストで無制限無料(Shopify契約内)
日本語UI○ 対応○ 対応△ 一部○
向く用途複雑なEC業務自動化シンプルな連携開発チーム主導Shopify内完結
月額目安約$9〜約$20〜無料〜無料

DTCの実務結論: 「Shopify内で完結する在庫・タグ操作」は Shopify Flow、「外部SaaSを3つ以上またぐ複雑フロー」は Make、という併用が最もコスパが高い構成です。


応用シーン(DTC/ECでの具体例)

1. カゴ落ちリカバリの自動化

Shopifyで「checkout abandoned」を検知 → 30分後にKlaviyoへ顧客同期 → 2時間後にLINE公式でリマインド → 24時間後にクーポンコード付きメール。回収率は手動運用比で平均+15〜25% と言われます。

2. 在庫切れ→広告停止の連動

在庫数が閾値(例:5以下)を下回ったら Meta広告の該当商品キャンペーンを自動一時停止。無駄なクリック課金を月3〜8万円削減 した事例も。

3. VIP顧客の自動タグ付けとCRM同期

累計購入額が 30,000円以上 になった顧客に VIP タグを付与 → kintoneの顧客マスタへ同期 → 専用クーポンを自動発行。

4. 返品処理のバックオフィス連携

返品申請フォーム送信 → freeeに売上返還を記帳 → 在庫を+1に戻す → SlackでCSチームに通知。


よくある誤解(アンチパターン)

- 「Makeに全部やらせればいい」 → リアルタイム性が求められる処理(決済・与信)には不向き。遅延やAPI制限で失敗します。

- 「オペレーション数は無制限」 → ループ処理を多用すると1実行で数百オペレーションを消費。気づかず月額が跳ね上がる典型パターン。

- 「ノーコードだから誰でも保守できる」 → 属人化しやすく、担当者退職でブラックボックス化するリスク大。命名規則とドキュメント化が必須。

- 「エラーは起きない」 → API仕様変更や認証切れで毎月必ず数回は停止。Error Handler とSlackアラートを必ず組み込みましょう。

- 「Zapierの完全上位互換」 → 単純な1対1連携ならZapierのほうが速く安いケースも多い。


関連用語

- シナリオ(Scenario):Makeにおける1つの自動化フロー単位

- モジュール(Module):処理ブロック。トリガー/アクション/検索/変換に分類

- オペレーション(Operation):課金単位。モジュール1回実行=1

- Webhook:外部からMakeを起動するHTTPエンドポイント

- ルーター/フィルター/イテレーター:分岐・条件・繰り返しの3種の神器

- Zapier:最大手の競合。直線型連携に強い

- n8n:セルフホスト可能なOSS系。エンジニア向け

- Shopify Flow:Shopifyネイティブの自動化。Makeと併用が定石

- Klaviyo:DTC定番のCRM。Make経由でセグメント同期が可能


まとめ: Make は「EC運営の複雑な分岐と繰り返しを、絵で描いて自動実行させる」ためのプラットフォームです。導入前にオペレーション原単位を試算し、Shopify FlowやZapierと役割分担させること。これがDTC現場でMakeを失敗させない最大のコツです。