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Bank Transfer

定義

銀行振込とは、購入者が自身の銀行口座から、販売者の銀行口座へ直接資金を移動させる決済方法です。クレジットカードやコンビニ決済のように外部の決済代行会社を介さず、銀行間のネットワーク(全銀システム)を通じて送金が行われます。

DTC・EC業界では「振込決済」「銀行振込」として一般的に呼ばれ、主に以下の2種類に分かれます。

- 前払い振込:注文後、購入者が指定口座へ入金し、入金確認後に商品を発送する方式。日本のECでは最も一般的。

- 後払い振込:商品到着後、請求書に記載された口座へ振込む方式(NP後払いなど)。

たとえ話

銀行振込は「現金書留を銀行経由で送る」イメージに近いです。クレジットカードが「クレジット会社が立て替えてくれる仕組み」なのに対し、銀行振込は「購入者自身が直接お金を運ぶ」仕組みです。そのため、決済手数料は安い代わりに、相手に届くまで時間がかかり、送金記録の確認も手作業になりがちです。

手数料と着金の計算式

銀行振込のコスト構造は、以下の式で表せます。

購入者負担額 = 商品代金 + 振込手数料(通常 145円〜880円)

販売者受取額 = 商品代金 - 振込手数料(購入者負担の場合は0円) - 入金確認コスト

具体例を見てみましょう。

- 商品代金 8,000円、購入者が振込手数料 330円を負担 → 販売者の受取額は 8,000円

- 商品代金 8,000円、販売者が振込手数料 330円を負担 → 販売者の受取額は 7,670円

- 商品代金 30,000円、振込手数料 440円を購入者負担 → 販売者の受取額は 30,000円

他の決済方法との比較

項目銀行振込クレジットカードコンビニ決済代金引換
決済手数料145〜880円3.0〜3.6%100〜200円330〜550円
着金スピード即日〜3営業日即時〜数日即日〜3日即時
チャージバックほぼなしありほぼなしなし
購入者の心理的ハードル高め低い中程度低い
導入難易度低い中程度低い中程度
向いている商材高単価・BtoB全般低単価全般

応用シーン

銀行振込が特に有効なのは、以下のようなケースです。

1. 高単価商材:10万円以上のジュエリーやオーダーメイド家具など、クレジットカードの与信枠を超える取引。

2. BtoB取引:法人同士の取引では、請求書+銀行振込が標準的なフロー。

3. 手数料を抑えたい低単価商材:3,000円の商品でカード手数料3.6%(108円)を払うより、振込手数料を購入者負担にした方が利益率が高い。

4. リピーター向け:定期購入や継続課金では、振込の手間を許容してくれる優良顧客に限定して案内するケースも。

よくある誤解

- 「振込=即日入金」:実際は金融機関の締め時間(通常15:00)を過ぎると翌営業日扱い。土日祝を挟むと最大3営業日かかることも。

- 「手数料は必ず購入者負担」:ECサイトの設定次第。販売者負担にすると、少額注文では利益が消し飛ぶ。

- 「入金確認は自動」:銀行振込は基本的に手動確認。1日100件を超えると、目視確認は現実的でなく、CSV照合ツールや決済代行サービス(GMOイプシロン、KOMOJUなど)の併用が必須。

- 「振込名義は注文者と同じ」:家族名義や屋号で振込まれるケースが多く、突合ミスの主要原因。注文番号の入力欄を設けるのが定石。

関連用語

- 全銀システム:日本の銀行間送金を支える基盤ネットワーク。

- 着金確認:入金を確認して注文ステータスを更新する業務。

- 前払い決済:入金後に商品を発送する方式。

- NP後払い:請求書払いの一種で、振込またはコンビニで支払う。

- チャージバック:カード決済特有の支払い取り消し。振込には原則存在しない。

- 決済代行サービス:振込の自動消込や複数決済の一元管理を提供。

銀行振込は、決済手数料の安さとチャージバックリスクの低さが最大の魅力です。一方で、着金までのタイムラグと手動消込の工数がネックになります。DTCブランドとしては、カード決済をメインにしつつ、高単価層やBtoB向けに銀行振込をサブ手段として用意するのが、現実的な最適解といえるでしょう。